下肢静脈瘤の硬化療法・レーザー硬化療法について

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下肢静脈瘤の硬化療法とは

硬化療法は、静脈瘤の中にポリドカスクレロールという薬剤(硬化剤)を注入して閉塞させる下肢静脈瘤の治療法です。硬化剤の入った静脈瘤は内膜に炎症を起こし、さらに表面から圧迫されることで閉塞してしまいます。閉塞した静脈瘤はその後徐々に吸収され、数ヶ月で消えてなくなります。クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤、側枝静脈瘤など、直径3mm以下の細い静脈瘤に適した方法で、施術時間は10分程度と短時間での治療が可能です。広範囲の場合は、数回にわけて行うことが必要となります。傷跡が残りにくい、身体への負担が少ないなどのメリットがある治療法ですが、血栓形成によるしこりや、静脈炎、色素沈着などの合併症を起こすことがあります。 またカテーテル治療(レーザー手術・ラジオ波手術・グルー手術)などの手術後に残った細かい静脈瘤(遺残静脈瘤)の追加治療として行われることもあります。

具体的な手術法

患部の血管を極細の注射針で穿刺してポリドカスクレロールという硬化剤を血管内に注入していきます。注入後は針を抜いて、ガーゼやスポンジを当て、弾性ストッキングをはいて、しっかり圧迫をして終了になります。一回の治療で数か所から十数か所の穿刺をして行います。静脈内に硬化剤を注入するだけなので、治療中は特に強い痛みや出血などはありません。所要時間も10分程度です。麻酔も表面麻酔のみ行います。
広範囲の場合は間隔をあけて数回に分けて行います。

治療後

治療後は約4-5週間程度弾性ストッキング着用にて圧迫をおこないます。
塞がれた血管は徐々に細くなっていき、数か月で周囲組織に吸収され消失してしまいます。血液は別の静脈を通って流れていきますので血流が障害されることはありません。また、大きい下肢静脈瘤の場合には、それに適した手術と硬化療法を組み合わせることで、より効果的な治療を行うことができます。

硬化療法の仕組み

硬化療法を検討される際の留意点

硬化療法は簡便で安全な下肢静脈瘤の治療法として広く普及していますが、合併症に関して、いくつか注意点があります。まず、ごくまれにアレルギーを起こすことがあります。また、血栓性静脈炎や色素沈着を起こすことがあります(数日から数ヶ月で軽快します)。そのほか、圧迫の影響で皮膚に水疱が形成されることもあります。
また細かい静脈瘤は治療後も再び出現してくることが多く、繰り返しの治療が必要となることがあります。
下肢静脈瘤に対する硬化療法は、保険適用の治療となります。
3割負担の方で1回14,000円前後となり、弾性ストッキングをお持ちでない方は、併せてご購入いただきます。

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レーザー硬化療法

体外照射型の「レーザー硬化療法」
安心・安全はもちろんのこと、多くのメリットがあります

ヤグレーザーという医療用レーザー機器を使用し、身体の外からレーザーを照射して下肢静脈瘤を閉塞させる新しい治療法です。主に、クモの巣状静脈瘤などの小さな静脈瘤(硬化療法では針のささらないような静脈瘤)に適用されます。
レーザー硬化療法は、従来の硬化療法と違って「体外照射のみで治療できる」「身体への負担や合併症のリスクが少ない」など、メリットの多い治療法です。
また、伏在静脈の分岐に発生した静脈瘤の場合などには、従来の硬化療法とレーザー硬化療法とを組み合わせることで、より効果的に治療することが可能です。

レーザー硬化療法の様子

具体的な治療方法

表面麻酔をして行います。静脈瘤に直接表面からレーザーを照射していきます。照射するたびに、輪ゴムではじかれたような小さな痛みがあります。数十か所程度で行います。施行後、しばらくクーリングをして終了です。
所要時間は10分程度です。
術後は特に痛みなどはなく、日常生活は普通におくれます。また弾性ストッキングの着用は必要ありません。

下肢静脈瘤レーザー硬化療法のメリット

使用するレーザー機器について

東京ヴェインクリニックでは、米国キャンデラ社製の最新レーザー機器を採用しています。このレーザー機器は、アメリカFDAで医療機器として認可されており、また日本でも医療機器として許可されている最新のレーザー機器です。下肢静脈瘤レーザー硬化療法は、自費診療となります。費用は、1ショット500円(税別)です。
目安としては手のひらサイズで50ショット前後です。

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レーザー硬化療法で使用するGentleYAGレーザー

当院で行っている他の下肢静脈瘤治療は以下となります

レーザー手術 ラジオ波手術 TVCメソッド グルー手術 圧迫療法

各治療の費用は 下肢静脈瘤治療の費用
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