
「手の血管が浮き出て目立つ」
「手の血管が青く透けて見えて気になる」
「年齢とともに手の甲の血管が増えてきて老けて見える」
「腕の血管がぼこぼこと目立って人前で手を出すのが嫌だ」
このような悩みをもつ患者様は実は多くいらっしゃいます。手は日常的に人の目に触れ、目立ちやすいからです。このように手の甲や前腕部の血管が膨れて目立つものを「ハンドベイン」と呼んでいます。
これは手の静脈という意味です。浮き出ている血管はすべて静脈になります。
「ハンドベイン」は病気ではありません。
あくまでも血管が膨れているという状態です。多くの場合は、特に悪さもしませんし、手の痛みや浮腫などの症状も起こしません。ただ、このハンドベインは、加齢とともに徐々に進行していきます。
そうすると、10代、20代では目立たなかった血管が、だんだんと手の甲や腕に目立ち始めるのです。
手の甲や前腕部の血管が目立つようになる原因はいくつかあります。

血管は年齢とともに血管壁の弾力が減少し、拡張しやすくなります。
静脈壁はもともと血管の壁が薄く、拡張しやすくなっているのですが、さらに弾力が低下することで拡張しやすくなり、血管そのものが太くなることでくっきりと血管が浮き出てしまうのです。

血管だけでなく皮膚も加齢とともに弾力がなくなってきます。これは主にコラーゲンの減少により張りがなくなり、皮膚そのものが薄くなることで起きます。手の静脈は皮膚のすぐ下を流れているため、皮膚が薄くなり、さらに弾力が低下することで皮膚に血管が累々と浮き出てきてしまうのです。

さらに加齢とともに皮下脂肪が減ってきます。手の静脈は皮膚すぐ下を流れていますので、皮下脂肪があればそこに埋もれてあまり目立つことはありませんが、皮下脂肪が減少することで、浮き出るようになってしまいます。
特に女性は女性ホルモンの低下にしたがい皮下脂肪も減少しますので、50代以降に顕著に目立ち始めます。

遺伝や体質的に目立ちやすい方もいます。また運動や仕事で手を激しく使う方は、手の静脈が発達しますので、目立ちやすくなります。
多くの場合、加齢とともに静脈の壁の弾力の低下、皮膚の弾力の低下、皮下脂肪の減少が同時に進行し、静脈は目立つようになってきます。
主に行われているハンドベインの治療法は以下の4つになります。


これは、もっとも負担が少なく、簡単にできる方法になります。
浮き出ている静脈に硬化剤というお薬を直接注射し、血管そのものを閉塞させ詰まらせてしまうという治療です。下肢静脈瘤に対し広く行われている治療で安全性や治療効果については実績のある治療になります。それを手の静脈に応用した治療法です。
下肢静脈瘤では、主にくもの巣状静脈瘤、網目状静脈瘤に対して行われる治療と同じ方法になります。下肢静脈瘤では保険治療として行われており、その際に使うポリドカスクレロールをいう同じ薬剤をハンドベインでも使用します。

・安全に負担なくできる。
・目立った血管を消失させてしまうというしっかりとした治療効果が期待できる。
・手の甲などの複雑に広がった静脈を効率的に治療できる。

・閉塞させた静脈が消失するまで数か月かかることがある。
・意図しなかった静脈に硬化剤が流れ込み、そこが閉塞してしまうことがある。
・太い静脈を硬化した場合、しばらく色素沈着がでてしまう。


これは、浮き出た血管内にレーザーファイバーのカテーテルを挿入し、レーザーの熱で血管を焼いて縮小させてしまうという治療です。
下肢静脈瘤では一般的な標準的治療となっており、これを手の血管に応用した治療となります。
下肢静脈瘤では、伏在型静脈瘤という大きな静脈瘤に対して行われる治療と同じ方法になります。

・下肢静脈瘤での治療実績がある。
・局所麻酔下で安全に行える。
・拡張した静脈を焼灼し、縮小させ、閉塞させずに血管機能を残すことも可能。
・前腕部の比較的長く、直線的な静脈に適している。
・太い静脈にも対応可能。

・手の甲などの複雑な静脈にはあまり向かない。
・術後数日間は多少の腫れが出ることがある。

これは、主に毛細血管拡張に対して行われる治療です。
そのため、手の甲に浮き出るような数ミリもある静脈にはほとんど効果はありません。

これは、皮下の皮下脂肪が減少した部分に、ヒアルロン酸やハイドロキシアパタイトなどのフィラーを充填して、血管を埋もれさせようという治療です。

・血管そのものは温存できる。
・手の甲が痩せていて気になる方にはふっくらした見た目に改善される。

・フィラーが血管内に入ってしまったときには塞栓症のリスクがある。
・人によっては手の甲がぼてっと腫れたようになってしまうことがある。
・数か月するとフィラーは吸収され、元に戻ってしまうため、維持するには繰り返し治療を受ける必要がある。
(ヒアルロン酸で3-6か月、ハイドロキシアパタイトでは12か月。)
固めたり焼いたりして血液が流れなくなった血管は、徐々に体に吸収され消えていきます。
静脈がなくなっても大丈夫なのかご心配される方も多くいらっしゃるかと思いますが、静脈は、側副血行路が発達し多くの血管があるので、
浮き出て見える血管をつぶしてしまっても他の血管がフォローして滞りなく血液は流れていきます。
また、腕には奧にも流れる静脈があり、その静脈がしっかり流れていれば、表面の静脈を消しても問題はありません。
東京ヴェインクリニックでは、ハンドベインの治療をする場合、まずは奧の静脈がしっかり流れていて表面の静脈をつぶしても問題がないか超音波検査で確認した上で、治療を行います。
また、腕の血管に対する血管内焼灼術では、手術中怖いと感じる方や緊張してしまう方も多くいらっしゃいますので、軽く眠った状態で手術を行うことが出来ます。
手術は安全に行うことが第一なので、手術をしても問題がないか、事前に血液検査や心電図検査などでも確認をして、手術についてしっかりとお話をした上でご納得いただいてから手術を行います。
そのため、東京ヴェインクリニックでは初診日と手術日を分けて行っております。
ただし、初診と手術を連日で行うことは可能となりますので、遠方の方などご希望がございましたら、ご予約時にご相談ください。

東京ヴェインクリニックでは、ハンドベインの診察、治療は血管外科医の院長がすべて行っております 。
無料のメール相談なども行っておりますので、お気軽にご相談ください。その際、気になる箇所の写真などを添付いていただきますとご案内がよりスムーズとなります。
東京ヴェインクリニックでは、硬化療法と血管内レーザー焼灼術を行っています。
現在日本で行われている治療は、いずれかの治療を選択して行っていることが多いのですが、東京ヴェインクリニックではそれぞれの治療法を組み合わせた治療も行っています。
ハンドベインを気にされる方の多くは、腕も手もどちらも気になるという方が多くいらっしゃいます。
そのため、主に硬化療法と血管内レーザー焼灼術を組み合わせたハイブリット治療【東京ヴェインクリニック法】を行っています。

これは、部位や静脈の形態、走行によって、最適な治療を選択し組み合わせて治療を行うものです。
手の甲の静脈は蛇行があり、また本数も多いため、カテーテル治療より硬化療法の方が負担も少なく効率良く治療が行えます。また、前腕部の静脈は静脈径が大きいため、硬化療法ではなく、血管内レーザー焼灼術の方がしっかりとした治療が行えます。
硬化療法では静脈は完全に閉塞してしまいますが、血管内レーザー焼灼術では、静脈を内側から焼灼し血管径を縮小することが出来るため、完全に閉塞させず、細くすることが可能です。そうすることで血管としての機能も維持できますので、血流に与える影響を最小限にとどめることが期待できます。
麻酔は、局所麻酔で行いますが、静脈麻酔で軽く眠った状態で行いますので、手術中の痛みなどは特にありません。
特に大きな合併症はありません。
《比較的多くみられる合併症》
・手術後の内出血→1〜2週間で吸収され消えます。
・一時的な手の甲のむくみ→いずれ軽快します。
・血栓性静脈炎→しばらく血栓化した静脈を触りますが、徐々に吸収され消えます。
《極めてまれにみられる合併症》
・神経損傷により親指の付け根の痺れが出ることがある
・血栓が肺動脈に飛び、肺塞栓症を起こす可能性がある
治療はすべて自費治療になります。
当院では、部位と治療方法により料金を設定しております。処理する血管の本数による追加料金等はございません。
《硬化療法のみ》
・片側(手)で100,000円(税別)
《血管内レーザー焼灼術のみ》
・片側(腕)で150,000円(税別)
《硬化療法と血管内焼灼術のハイブリット手術》
・片側(手と腕)で250,000円(税別)
《追加の硬化療法を行う場合》
・希望された箇所が消えるまでは、無料で治療します。(治療開始後おおよそ3か月程度まで)
その後、別の場所が気になる場合には、1回30,000円(税別)で行います。
※この他、初診検査料(2,500円前後)、手術前検査が必要となった場合には術前検査料(3,500円)がそれぞれ別途かかります。
※手術の際には、必要に応じて圧迫用のグローブ(6,000円税別)、スリーブ(7,000円税別)をご購入いただきます。
当院では、手や腕を出す機会が増える春から夏にかけて来院し、治療を希望される方が最も多くいらっしゃいます。
また、治療後2日間は昼間もグローブやスリーブで圧迫してもらうこととなりますので、長袖で隠せる秋から冬にかけて治療し、次の春には堂々と手や腕を出せるようにする、という方も多くいらっしゃいます。
《診察》
まずは診察をさせていただきます。問診、触診、視診などを行い血管の状態を把握し、また、どのように気になり、どのように治したいのかを詳しくカウンセリングしていきます。
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《超音波検査》
血管の状態、血流などをチェックしていきます。
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《治療方法の提案》
検査結果を踏まえ、治療の可否、治療法を決めていきます。
【手術となった場合】
《手術前の検査・説明》
手術前検査として、採血や心電図検査などを行います。(硬化療法のみの場合は行いません)
手術について詳しくお話しし、日程を決めていきます。
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《手術》
当日は、硬化療法では30分程度、血管内レーザー焼灼術では2時間程度の在院で帰宅できます。
◆手術後は1−2週間の程度、患部の圧迫を行います◆
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《術後チェック》
手術1週間後に一度ご来院いただき、手術部位のチェックを行います。
以上のような流れになります。
治療は日帰りで受けられ、通院回数もそれほど多くはないので、日常生活を通常通りに過ごしながら治療が受けられます。
◆50歳女性◆
腕と手の甲の血管が気になるとのことで来院されました。
治療は、左前腕部の血管内レーザー焼灼術と左手背部の硬化療法を行いました。afterの写真は手術後1か月経過したところの写真です。
治療の金額は、片側(腕及び手)で250,000円(税別)でした。



◆46歳女性◆
手の甲の血管が気になるとのことで来院されました。
治療は、右手背部の硬化療法を行いました。afterの写真は手術後1か月経過したところの写真です。
治療の金額は、片側(手)で100,000円(税別)でした。



◆37歳女性◆
腕と手の甲の血管が気になるとのことで来院されました。
治療は、左前腕部の血管内レーザー焼灼術と左手背部の硬化療法を行いました。afterの写真は手術後1か月経過したところの写真です。
治療の金額は、片側(腕及び手)で250,000円(税別)でした。



◆61歳女性◆
腕と手の甲の血管が気になるとのことで来院されました。
治療は、右前腕部の血管内レーザー焼灼術と右手背部の硬化療法を行いました。afterの写真は手術後1か月経過したところの写真です。
治療の金額は、片側(腕及び手)で250,000円(税別)でした。



ハンドベインは病気ではありません。しかし、女性にとってはとても悩ましい状態です。そのため、もちろん治療の対象になります。
ただ、健康な静脈を潰す処置・手術になりますので判断は慎重でなければいけませんし、できるだけ最小限の範囲でさらに低侵襲で行わないといけないと考えています。
ハンドベインでお悩みの方は、まずは一度ご相談ください。