下肢静脈瘤グルー手術

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下肢静脈瘤グルー手術とは

瞬間接着剤(グルー)による血管内塞栓術

下肢静脈瘤グルー手術とは、ボコボコと浮き上がる静脈瘤の原因となっている血管に瞬間接着剤(アロンアルファのようなもの)を注入し、血管を塞いでしまうという低侵襲な治療法です。 <医療機器承認番号23100BZX00111000>

VenaSealクロージャーシステム

VenaSealクロージャーシステムの特徴

日本メドトロニック㈱から、『VenaSeal クロージャーシステム(以下べナシール)』が下肢静脈瘤の治療に用いる医療機器として発売され、保険適用で治療が受けられるようになりました。
下肢静脈瘤の治療法として、日本では2011年にカテーテルを用いた血管内レーザー焼灼術が保険適用となり、さらに血管内ラジオ波焼灼術も保険治療として導入されました。 手術侵襲がとても少なく、日帰りで行えるため、急速に普及し、現在では標準手術となってきました。更に今回、ベナシールを用いた治療が2019年12月に厚生労働省に認可され、 負担の少ない接着剤(グルー)による治療法が下肢静脈瘤血管内塞栓術として保険の適用となりました。熱によるダメージもなく、痛みがほとんどありませんので、広範囲の局所麻酔も必要としません。 また術後は弾性ストッキングによる圧迫を必要としませんし(症例による)、当日から運動が可能となります。とても患者様に優しい手術・治療法になります。
手術侵襲が少なく、術後の制約も少ないので、下肢静脈瘤の状態にもよりますが、仕事や介護などでなかなか休みの取れない方や、運動を早く始めたい方、高齢者の方にお勧めします。

メリット

  • 広範囲の局所麻酔が必要ない
  • 熱による周囲組織の炎症がないので、術後の痛みや神経損傷がほとんどない
  • 術後の神経障害や深部静脈血栓症などの重篤な合併症が起きにくい
  • 当日から運動が可能で、生活の制限がない
  • 弾性ストッキング着用の必要がない(※症例による)
  • レーザー手術やラジオ波手術同様、保険治療で受けられる

デメリット

  • まれにアレルギー症状が出ることがある
  • 血管内に接着剤が長期に残る
  • 血管径で12mm以下と制限がある

※接着剤が長期間血管内に残ることが指摘されていますが、現在までのところ、大きな問題になったことはありません。

手術方法

①下腿部のカテーテルを挿入する部分のみ局所麻酔を行います。
②カテーテルを脚の付け根近くまで進め、少しずつ瞬間接着剤を注入し、エコーのプローベ(器械)や手で押さえながら、血管を接着させます。これを下腿部まで続けます。
たったこれだけです。10分もあれば終わってしまいます。
ちなみに、使用する瞬間接着剤(グルー)は、有機化合物のシアノアクリレートが主成分になります。これは、いわゆるアロンアルファと同じ成分になります。数十年前から傷の接着や、血管内治療で広く使われてきた薬剤です。またベナシールに関してはアメリカFDA(日本の厚生労働省に当たります)でも認可されており、 安全性には全く問題ありません。

瞬間接着剤(グルー)を血管内に注入し、エコーのプローベや手で押さえる様子

瞬間接着剤(グルー)を血管内に注入し、エコーのプローベや手で押さえる様子

グルー手術とレーザー・ラジオ波手術の麻酔範囲の違い

東京ヴェインクリニックでは、下肢静脈瘤に対し、今回の新しいベナシール(グルー手術)だけでなく、従来のレーザー手術、ラジオ波手術、静脈瘤切除、ストリッピング手術(抜去術)、硬化療法と多くの治療法を行っております。 それぞれの患者様にあった適切な治療法を選択し、患者様に提供させていただいております。
下肢静脈瘤かな、と思ったらぜひご相談ください。

当院で行っている他の下肢静脈瘤治療は以下となります

レーザー手術 ラジオ波手術 TVCメソッド 硬化療法 圧迫療法

各治療の費用は 下肢静脈瘤治療の費用
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